reliure close up | ルリユール小史 | Les fragments de M
◇ ルリユール小史
16 世紀に、イタリアのルネサンス文化がフランスにもたらされた時、ルリユールも、愛書家として有名なジャン・グロリエ (Jean Grolier)を通して導入されました。
国王自身が熱烈なコレクターであった国でルリユールは花開き、ファンファール様式というルネサンス様式を生み、専属の製本家、あるいは、著作家・大コレクターでありブックデザイナーでもあったド・トゥ(Jacques Auguste de Thou)、書体デザイナー、クロード・ギャラモン(Claude Garamond)など書籍文化に関わる優れた才能が数多く生まれました。
ジャン・グロリエの蔵書(1538年頃)
Roger Devauchelle LA RELIURE édition Filigranes
ファンファール様式
アンリ2世とディアーヌの紋(HD)が入っている
Bibliothèque R.Esmérian Art&Métier deu Livre 2001 No223
以来、ルリユールはバロック、ロココ、古典主義といった時代の様式を共有しつつ、著名な製本家を数多く輩出してきました。その流れは20世紀になり、マリウス・ミシェル(Marius-Michel)、ポール・ボネ(Paul Bonet)という2人の傑出した製本家・デザイナーに引き継がれ、現代では、ジャン・ド・ゴネ(Jean de Gonet)、モニク・マチュー(Monique Mathieu)をはじめとする製本家が活躍しています。
王室装幀師パドゥルー家による装幀 1720年頃
Roger Devauchelle LA RELIURE édition Filigranes
ネオ・ゴシック様式 1832年頃
Roger Devauchelle LA RELIURE édition Filigranes
ロカイユ様式 1840
Roger Devauchelle LA RELIURE édition Filigranes
マリウス・ミシェルによる装幀
「エトルリアの壺」プロスペル・メリメ1909
ART NOUVEAU AND ART DECO 「装幀の美」同朋舎1990
ポール・ボネによる装幀
「ペルシャ人の手紙」モンテスキュー 1923
ART NOUVEAU AND ART DECO 「装幀の美」同朋舎1990
ピエール・ルグランによる装幀
「真珠の王国へ」レオナール・ロザンタール
ART NOUVEAU AND ART DECO 「装幀の美」同朋舎1990