第一回目ワークショップは、羊皮紙研究家の八木健治さんによる「羊皮紙をつくる」でした。
羊皮紙とは様々な動物の皮から作られ、黄みがかった乳白色で硬くかつ滑らかな質感を持つものです。
西洋では本文紙はもちろんのこと、表紙にも使われてきました。
最近では、英国のウィリアム王子の結婚証明書は羊皮紙の上に書かれています。
羊皮紙の歴史などの基礎知識のレクチャーをはじめ、八木さんコレクションの中から、美術館では厳重にガラスケースにしまわれているような貴重な写本のオリジナルも手にとって見ることもでき、人の手によるものの美しさは今も昔も普遍的なものなのだと感動させられます。
実践編としては、実際に羊の皮を使って羊皮紙を作っていただきました。
あらかじめ毛は取り除かれてはいましたが、ナマの皮を木枠に張ってナイフや軽石で表面を滑らかにしていく工程を体験することにより、羊皮紙は命あるものを手間ひまかけて作られているのもであると、実感していただけたとおもいます。
また、虫こぶとアラビアゴムを配合した、当時と同じインクを使って、羽ペンで羊皮紙の上に文字を書いてみよう!コーナーもあり、思う存分中世の気分を味わっていただけたのではないでしょうか。
frgm 中村