書物装飾の原点を掘り起こす!ミナコのミラクルワールド。
ドリュールにまつわる素朴な疑問の数々にフラグム中村が大幅に寄り道しながら迫る!
残念ながら、日本において「ルリユール」「ドリュール」という言葉は、フランス文化が浸透している今でも認知度は低いのが現実です。
ましてどういうものなのかということまで知る人は一体どのぐらいいるのでしょうか・・・。
記念すべき(?)「ミラクルワールド」初回の前編では、フラグムの自己紹介として、ルリユールとドリュールという単語に少し触れてみたいと思います。
「ルリユール(reliure)」「ドリュール(dorure)」は名詞です。それぞれの動詞は「綴じる(relier)」「金をつける(dorer)」と言いますが、製本だけに関する専門用語ではなく、何かを結び付ける時にもrelierは使われるし、料理の焼き色をつける時にもdorerは使われます。
フランス語には男性名詞(le)・女性名詞(la)という厄介なものがあり、reliure・dorureは共に女性名詞で、la reliure・la dorureとなります。ちなみにフランスはla Franceで女性名詞、日本はle Japonで男性名詞です。
人物に言及するとなると、男性名詞はun・女性名詞はuneをつけ、語幹をそれぞれ-eur/euseと変化させますので、男性の製本屋はun relieur、男性の箔押し師はun doreurとなり、女性はune relieuse、une doreuseとなります。
この人物に対するものは、例えばun comédien(男性役者)・une comédienne(女性役者)という、-ien/-ienneという変化形もあります。
また、名詞の性に合わせて、それにつく形容詞も変化させなければなりませんが、残念ながらスペースの問題上今回は割愛します。(逃)
私たちフラグムにとっても、今後のミラクルワールドで紹介していく(であろう)事柄も、フランス語とは切っても切り離すことができませんので、名詞と日本人にはあまり馴染みのない名詞の性について書きました。
この面倒くささにもかかわらず興味をもたれた方は、ぜひぜひフランス語を学んでいただきたく思います。(ちなみに動詞の変化はもっと面倒で、目がシロメになり気が遠くなります。)
とても素敵な言葉であるのは間違いありませんし、シャンソンのよく合う言葉です。
つづく・・・
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