ご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
花見をする間もなく桜も散ってしまい、寂しい限りです。
街には新入生や新社会人が溢れ、フレッシュな雰囲気が充満しておりますが・・・。
さて、今回のミラクルワールドは、新コーナー「読書ノススメ」を導入したいと思います。
今後、不定期に雑多に(!)読んだ本を紹介していきたいと思います。
其の一は、蓮實重彦著「反=日本語論」です。
実はこの本を知ったのはテレビで、林修さんが紹介していました。
その時に蓮實さんが東京大学総長に就任した様子も一緒に流され、とてもエスプリの効いたスピーチをしておられたので、読んでみようと思いました。
蓮實さんはフランス文学者で、奥さんはフランス語を話すベルギー人です。そして長男はもちろん生まれながらにバイリンガルというわけで、日本に暮らす彼らに起こる言葉を巡る出来事がとても面白く描かれています。
といっても、著者はフランス文学者ですので、文章は日本語であるにもかかわらず、とてもフランス語的(?)で、ソシュールをはじめ、バルトやデリダなど構造主義者の面々を登場させつつ、アカデミックにそれらの出来事を分析をしています。
西欧の言語に比べて無秩序な日本語を理解しようとも、容易には納得いく結論に至らずに怪訝な顔をし続ける奥さんのエピソードの数々が印象的です。
一度でも他言語の社会に自らの身を置いたことのある人ならば、自分をその奥さんに照らし合わさずにはいられないでしょう・・・。
もちろん日本語自体についてもびっちり言及されているので、読み終わるころにはおなかがいっぱいになります。
以上、読書ノススメ・其の一でした。
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