秋晴れの続く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
食欲の秋到来、ということで、製本からの脱線が甚だしいですが、新シリーズ「フランスの食」をスタートしたいと思います。
今回は朝食について紹介します(あくまで個人的な感想です。)
フランス人=バゲットというイメージが強いと思うのですが、全く期待を裏切らず、一にバゲット、二にバゲットです。
普通のレストランでは、日本のように自動的に水やおしぼりはまず出てきませんが、バゲットサービスは規則で決められているようです。
フランス滞在中は友人宅でご飯をごちそうになることもしばしばありましたが、バゲットがない時には一大事です。スーパーのパンもまずくはないのですが、少なくとも私の友人たちはみんなパン屋で買っていました。
さすがバゲットの国、パリの街には10メートル間隔でパン屋があるくらいです。
各自お気に入りのパン屋が決まっていて、まずは第一のお気に入り店に行きます。美味しいパン屋には軽い列(イギリス人や日本人にはただの人だかりに見えますが)が出来ています。そしてそこが休みだったり、売れきれてしまった時は、肩をすくめ、眉をハの字にし、「仕方ないな」という顔をしながら、第二のお気に入り店に行きます。だいたいその辺りでバゲットはゲットできます。
はしごしてまでもパン屋のバゲットを買い求める、フランス人はそんな食のこだわり屋さんです。
また、自らパンを買うのを忘れてしまった時も一大事です。
また肩をすくめ、眉をハの字にし「仕方ないな」という顔をしながら、冷凍庫に放っておいたいつかの残りのバゲットを引っ張りだしてきて、それを言い訳(「今日は頭痛がしてパン屋に行けなかった」等)とともに食べます。
それとは対照的に、バゲットの他にクロワッサンが朝食に用意されている時があります。その時には必ず、「今朝はクロワッサンがあるからねっ」と誇らしげに知らしめます。そして私の喜び有り難がる反応を待ちます。
フランス人にとってもクロワッサンは少し贅沢なパンなのでしょうか・・・。ちなみに大好きなブリオッシュはフランスでも高かった記憶があります。
クロワッサンはそのまま何も付けずに食べますが、バゲットにはバターを付けて食べます。
噛めば噛むほど旨味が増していくスルメのようなバゲットは、フランス人そのもののような気がします。
朝食の飲み物はオレンジジュースなどもありますが、何と言ってもカフェオレ(牛乳が入ったコーヒー)です。少し端がかけ、使い込まれた味のあるカフェオレボウルに注がれます。以前、父親がフランス映画を観て「フランス人はお椀(ボウルのこと)でコーヒーを飲むのか」と軽いカルチャーショックを受け、私に質問を投げかけてきたことがありましたが、「その通り」です。
そういえば、友人たちが朝以外でカフェオレを飲んでいるのを見たことがありません。これは何故でしょうか。
そして、ヨーグルトも忘れてはいけません。プレーンなものでも、これでもか、というぐらいスプーンでぐるぐるかき混ぜて食べます。コンポートが出された時もありましたが、私はそちらのほうが好きでした。
何気ない朝食風景が今では懐かしく思われます。安くて美味しい焼きたてもバゲットが食べたいものです・・・。
つづく
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