いつになく好調に飛ばしている(!)本をめぐる旅、今回はバーゼル・紙博物館編(Basler Papiermühle)です。
ザンクトガレン図書館に引き続き訪れたバーゼルにある紙博物館は、街中にはあるのですが、小さな森のような場所を通り抜けた少し奥まったところに位置していました。
紙を作る際には大量の水を必要としますので、博物館の横には水車がありました。
建物の中に入っていくと、まず目に飛び込んでくるのは紙の原材料となるボロが砕かれ溶かされている桶でした。
少し進んでいくと、若くて爽やかな「バーゼル青年A」が紙漉きの実演をやっているではありませんか!
挑戦しない手はない、と青年に駆け寄り、自分もぜひ漉いてみたい旨を伝えました。
物腰の柔らかい青年は親切に教えてくれました。
1階(ヨーロッパではゼロ階)の紙コーナーの次に2階(1階)に上がると、いよいよ本の歴史が始まります。
さすがは本場、数々の写本が展示されていました。
タイポグラフィーのブースでは「バーゼルお父さん」がハンドモールドを使った実演をしています。
さきほどの青年Aとは違い、お父さんは寡黙です。
見学者が観ている限りは実演をしなければならない的な決まりがあるのでしょうか、私たちが観ている間黙々と、溶けたアルミ合金をすくう→ハンドモールドに注ぐ→ガチャっと押す→ブロックになった活字を取りだす→作業台の上に並べる、の工程を繰り返していました。
3階(2階)に上がると、印刷のブースになります。
ここでは「バーゼル青年B」がプレスの前で印刷の実演をしていました。
もちろん自分も試したい旨を伝え、挑戦してみました。
私たちの前には、バーゼル少年がお母さんに促されて印刷にチャレンジしていました。お母さんの英才教育、素晴らしいです。
少年相手と言えども、青年Bはインクの付きがイマイチだった印刷物を持って帰らせるのは許せないらしく、首を横に振って破棄し、やり直させていました。
青年Bと少年に未来あれ!
最上階に上がりますと、見慣れた製本のブースがありました。
特に目新しいものはありませんでしたが、「バーゼルお母さん」がマーブルの実演をやっていましたので、またまた挑戦してみました。
さきほどの少年もマーブリングを終えたばかりで、満足げに去っていきました。
私はl’oeil de chatという目玉がちりばめられたようなマーブル模様を作りたかったので、一面に模様を施し始めていたら、お母さんからのやりすぎストップがかかってしまいました。
欲張りすぎたのでしょうか、出来上がりは全く違うものになってしまいました、トホ。
総評として、1500円足らずの入館料でこんなにも楽しむことのできた博物館は久しぶりでした。
知的好奇心も、創作意欲も満たされた一日でした。
つづく・・・
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