なんとなく春の足音が聞こえる今日このごろ、いかがおすごしでしょうか。
昨年10月の「ドイツ印刷ツアー」から早くも5カ月が経とうとしており、蒸発していく記憶を必死でつかみながら記している次第です。
さて今回は、オッフェンバッハから少し南へ向かったライプチヒにある、印刷博物館(Museum fur Druckkunst Leipzig)訪問・前編です。
ライプチヒ中央駅に着き、小雨の降る中、グーグルマップを頼りにとぼとぼ、きょろきょろと歩いて行くと、中心からは少し外れたところに、印刷博物館はありました。
カウンターにいた女性に入館料を払うと、活版で刷られたであろう入場チケットを渡されました。シンプルながらも、センスが光ります。
建物は4階建てで、チケット代を払った1階にはミュージアムショップも併設されていました。
見学する前に私たちの心はすでに印刷グッズに奪われ、目がギラギラでしたが、なんとか我慢して活字鋳造フロアの2階へと上がりました。
案外広いフロアには機械が行儀よく並べられており、よく使い道のわからない、細々とした道具も展示されていました。
私たちは活字鋳造機の前で説明しているおじさんのところで立ち止まり、すでにいたドイツ人の中年男性と若い女性に合流しました。
ドイツ語で繰り広げられるおじさんのトークに、わからないままぼんやりしているのも悪いと思い、なんとなく重要と思われるところでうなずきながら聞いていると、「これは鉛の・・・」という声がどこからともなくしてきました。
私たちは何も疑うことなく、「へー、そうなんだー」などと感心しながら、その声の方へ顔を向けてみると、なんと、先客でいた若いドイツ人女性ではありませんかっ!
その女性はとても綺麗な日本語で、私たちに説明を続けます。
特に通訳をお願いしたわけではありませんでしたが、右も左もドイツ語もわからずキョロキョロしていた私たちを哀れに思って、ボランティアを買って出てくれたのでしょう。
とても気になったので、日本語をどこで習得したのか聞いてみると、東北に少し(たしか1年ぐらい)留学していたとのこと。そんな彼女からもドイツ人の勤勉さを垣間見ました。
彼女のおかげで、機械の仕組みについてのおじさんの説明に対する私たちの理解度も増し、俄然テンションも上がりました。
おじさんは一連の説明を締めくくるべく、出来たての鉛活字をひとつずつくれました。
つづく
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